COBOLの数理システムで保険業界を支える開発業務の体験談|求人情報
数理システムの特徴について
保険商品の保険料は契約者の公平性と保険会社の利益確保のバランスが重要です。数理システムは単なる業務の効率化や自動化を行うだけでなく、保険ビジネスの根幹を支えるシステムで主に以下のような機能、特徴を持っています。
まず第一に保険商品の設計、価格設定するために死亡率、生存率、事故率、疾病率などの確率モデルや年齢、性別、職業、健康状態などを考慮した保険料の計算機能を持ちます。将来を見越した料金シミュレーションを行うこともできます。
次にリスク管理です。保険契約は数年~数十年にわたります。将来の保険金支払いに備えて引き当てる準備金の算出機能を持ちます。金利や死亡率、解約率などの将来の予測に基づいて必要な準備金額を算出します。
最後これら保険商品については投資家や顧客に対して数値根拠を明示する責任があります。内部監査、外部監査に耐えうるロジックとどのような計算をしていたかを追跡、記録できる機能を持ちます。
このように数理システムは保険業界の安定した運営に欠かせない機能を有しており、私たちはそれらシステムの開発、維持、保守を担っています。日々将来の予測なども変わりますので、お客様と意見交換しながら業務の改善を進めています。
お客様のかかえる課題
数理システムに関わるお客様は、数理システムが保険商品の価格を保有していることから前後工程様々なところから情報を要求されます。また法規制、会計基準の改定対応も必要になり、日々それらの対応を検討しています。
例えば、情報の連携については、保険契約、保険金支払い、会計・経理処理など多くのシステムが価格情報を取り扱っていることからそれらシステムとの連携が発生します。データの形式や粒度が違う仕組みとの連携になるため、システム間で連携仕様の整備が必要になります。
法規制や会計基準への対応も重要です。国際財務報告基準(IFRS17)など国際基準を導入することで保険会社の財務状況や業績状況の透明性を示すことができます。これらは定期的に改定されますのでその都度その対応を検討することになります。これらに柔軟に対応できるシステムが必要になります。
私たちは数理システムに関わるお客様が適切にシステムを運用できるように日々これらの課題に対する対応を顧客と検討するとともに、必要があれば別システムの担当者との調整を直接行います。
お客様の課題に対するシステムの貢献
数理システムに対して、私たちがシステム開発でどのように貢献をしているかご紹介します。数理システムは保険商品が長年運用されることからもわかるように、COBOL言語ベースで開発されたシステムが多いです。
長年運用されているシステムですので、システム化に当たって仕様提示したユーザもシステム構築した担当者も残っていないことが多いです。そのような中、システムについては設計ドキュメントを新たに整備したり、前任の担当者から徐々にシステムノウハウを引き継いだりと、システムを持続させるための取り組みを進めてきました。その結果、当時の担当者がいなくてもユーザ要望に合わせてシステム改修を行うことができています。何も知らない他社ではそれは難しいことです。
また数理システムは保守性と正確性を重視したシステムのため、新技術との融合は簡単ではありません。そのような中でも保険に活用できる情報、具体的には顧客行動や健康情報、IoTデータなどが増えてきており、それらの情報と現行システムのデータを融合させて新たな商品開発に活かす仕組みを作ることにも、私たちのシステム開発は貢献しています。
私たちの職場環境について
数理システムは保険会社が持つシステムの1つですが、実際には保険会社に勤められる一部の方が利用する仕組みであるため、業務やシステムのイメージがつきにくいかもわかりません。ただ、システムが担う機能の意味や目的は非常に明確ですので、一度業務に携わっていただければ比較的早く理解が進むはずです。
システム開発に使用するプログラミング言語はCOBOL言語です。COBOL言語は古くからあるシステムで利用されていることもあり、未経験者からすると敷居が高い印象ではありますが、プログラム1つ1つの処理はステップ数も多くはなく複雑でもないため、すぐに内容理解いただけるのではないかと思います。また似たようなプログラムが多数稼働していますので、処理を参考にしながら新しいプログラムの開発も行うことができます。
開発作業する環境も場所を選ばず進められます。例えばご自宅でご家族の様子を見ながら業務を進めたり、日によっては出社して他のメンバーに相談しながら作業したりすることもできます。非常に働きやすい職場環境が実現できています。
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