レガシー言語と言われるCOBOL言語の技術者に求められるスキルとは
COBOL技術者の需要はまだまだある!
COBOL言語の全盛期は1980年代です。企業はこぞってCOBOL言語のシステムを導入しました。大型汎用機で稼働するCOBOL言語のオンラインシステムを作るCOBOL技術者は、ソフトウェア技術者の花形だったと言ってもいいでしょう。
そして、時代は変わり、今やもてはやされるのは、JAVAやPHPなどを使いこなしてWeb開発ができる技術者です。
しかし、COBOL言語で組まれたシステムは、現在も多くの企業で現役稼働しています。システムが稼働しているということは、そのメンテナンスにCOBOL技術者が必要とされているのです。
しかも、COBOL言語の全盛期にバリバリとシステムを組んでいた技術者は、会社勤めであればすでに管理職になり、システム開発の第1線から退きました。若い技術者はCOBOL言語を学んだりはせず、最新技術を使ったWeb開発へと流れて行っています。
すなわち、企業の需要に対して、COBOL技術者が不足しているのです。
どのような企業でCOBOL技術者が求められているのか?
1980年代、企業は次々と大型汎用機を導入し、COBOL言語によるシステムを搭載しました。
そして、大型汎用機からUNIXサーバやPCサーバへとハードウェアのダウンサイジングの波がやって来たとき、多くの企業ができるだけプログラムの改修量を少なくし、ミドルウェア上でCOBOLプログラムを稼働させる道を選びました。COBOL言語で組まれたシステムをC++などのほかの言語で、完全にリプレースするという冒険をした企業は少なかったのです。
そういった企業では、現在でもCOBOLプログラムが現役稼働し、日々のメンテナンスや改修などの仕事ができるCOBOL技術者を求めています。
また、金融、生保、損保、鉄道などの業界では、現在でも大型汎用機が稼働し、COBOLプログラムの保守・開発が続いています。
COBOL技術者は多くの企業から求められているのです。
COBOL言語に特化した企業も!
企業はCOBOL技術者を求め、COBOL技術者は仕事を求めているのに、なかなか企業と技術者が出会うことができないのが、現在のCOBOL技術者市場の現実です。
しかし、そのような中で、「COBOL技術者の生活を守る」ことを企業ミッションとして掲げている企業もあります。
株式会社COBOLは、COBOL技術者による、COBOL技術者のための、COBOLシステムの保守・開発に特化した企業で、COBOL技術者を求めるお客さまから仕事を請け負い、COBOL言語による開発を行っています。
現在、株式会社COBOLでは、COBOL技術者を募集していますので、興味のある方はWebページをご覧ください。
COBOL技術者に必要なスキルとは?
現代のCOBOL技術者に求められるスキルをピックアップしてご紹介します。
コミュニケーション能力が必要!
第1に挙げられるのがコミュニケーション能力ですが、誰をも魅了できる特別なコミュニケーション能力が求められているわけではありません。自分の意思を相手に伝え、相手の言うことに耳を傾けることができれば、コミュニケーションは成り立ちます。
プログラム解析能力&シンプルコードが書ければ優遇される!
既存のプログラムの保守や改修をする場合、プログラムの解析能力があれば、どんなシステムでも重宝されます。さらにシンプルでわかりやすいコードを書くことができれば優遇されます。
汎用機やUNIX機が使えればなおさら可!
汎用機やUNIX機を使えると、さらに道は広がります。UNIX機が使えると言っても難しいことではなく、viエディタや簡単なUNIXコマンドが使えるだけでも十分に貴重な人材です。
オブジェクト指向ができれば!
COBOL2002規格では、COBOL言語にオブジェクト指向が導入されました。クラスの継承やカプセル化などのオブジェクト指向の概念を理解し、他言語プログラムとの連携をするなど、COBOL設計者としてはニッチなスキルも求められるでしょう。
次世代を担うCOBOL技術者の育成は深刻な課題
レガシー言語と言われるCOBOL言語ですが、大型汎用機がなくならない限り、または現在稼働しているCOBOLの大型システムが全て廃止されない限り、COBOL技術者は常に必要とされます。
しかし、COBOL言語の全盛期に活躍したCOBOL技術者の引退の時期が迫っているにもかかわらず、技術を継承した若い世代がいないため、このままでは既存のCOBOLシステムに手をつけられない状態になってしまいます。
また、将来、現在稼働しているCOBOLシステムを全て近代的な言語にリプレースするとしても、既存のプログラムコードを読めるCOBOL技術者が存在しない状態になってしまうことが予測されています。
現時点でもCOBOL技術者の不足は深刻な問題ですが、次世代のCOBOL技術者の育成はさらに深刻な問題です。COBOL技術を持っている企業は、積極的に若いCOBOL技術者を育てていくことが必要です。また、COBOLの技術を持っている方は、意識してCOBOLの技術を若い世代に伝えましょう。若い世代がCOBOLに入門しやすい環境を整えることが、日本企業の未来を救うことになるのかもしれません。
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