先物取引/オプション取引の特徴について
先物取引は、将来の価格変動リスクによる影響を避けるための手段として利用されています。例えば、毎月商品を販売する企業は、原価になる材料が毎月のように大きく価格変動が起きると利益が安定しません。そのため、決めた期日に決めた価格で商品を購入できる約束をしておけば、計画した価格で商品を販売することができるため、将来材料の原価が上がっても下がっても買い手の利益に影響を受けないという特徴を持ちます。
このように先物取引は株式取引などと違い、取引に期間が設けられており、期限になれば自動的に取引決済されます。株式取引の場合、10万円の株式を買う場合は原則として10万円の資金が必要になりますが、先物取引は、取引開始時に全額を用意しておく必要がありません。代わりに証拠金と呼ばれる担保を差し入れて取引を行います。このため資金効率の高い運用ができるという特徴を持ちます。
また、先物取引に似たものでオプション取引というものもあります。こちらは先物取引と同じような取引になりますが、取引する「権利」を持つという特徴を持ちます。例えば、10万円で購入する権利を1000円で購入する権利を持つというものです。例えば将来12万円に価格が上がっていた場合は2万円利益がでるという事になります。この権利は放棄する事もでき、将来8万円に価格が下がっていれば購入権を放棄して値下がりした商品をその時の価格で購入する事もできます。
お客様のかかえる課題
先物/オプション取引に関わるお客様は、価格変動のリスクヘッジ機能として提供される商品にどのようなものがあり、商品のメリットを感じてもらえるか、実際に取引をする上での手数料や取引のしやすさ、サービスをどうお客様に提案できるか日々検討、見直しを行っています。
例えば取引手数料の面では、他の証券会社と比較して1取引あたりどうコストメリットを提案できるか、また先物取引が低コストからでも始められる点を、新規のお客様を始めどのように知っていただけるか検討します。継続して利用するお客様には豊富な投資情報の公開からスピーディーな注文のためのスマホアプリやPC用ツール提供など、取引回数を増やしてもらうためにどうすればいいかについて検討します。
取引手法、取引情報などについて学ぶ機会も提供します。値動きの相関性の高い商品同士で、割高な商品を売り、割安な商品を買うという2つの取引を同時に行う事で、それぞれが正常な価格に達したら売買して利益を確定させるアービトラージや先物取引を始めとした投資セミナーを開催する事で客観的な投資予測を参考に取引を促すなど、先物/オプション取引だけでなく、他の商品取引の第一歩も踏んでいただけるような活動も行います。
このように先物/オプション取引に関わられるお客様は、いかに自分たちの魅力的なサービス、商品を届けられるか日々検討されており、それらの検討、見直しに合わせてシステム改修を行う事が私たちの業務になっています。
お客様の課題に対するシステムの貢献
先物/オプション取引に対して、私たちがシステム開発でどのように貢献しているかご紹介します。先物取引は価格変動の影響を避けるリスクヘッジ、適正価格を定めるための価格調整機能として古くから取引に利用されています。他の投資商品と同じようにシステムも古くから構築が進められており、今なおその仕組みが利用されています。
プログラミング言語は大量の取引処理を行うことからもCOBOL言語が使用されています。システムのメンテナンス、改修については既存のCOBOL言語で開発されたプログラムに手を入れて対応することになります。最近では、スマホアプリからインターネット経由で取引を行うことも一般的になってきましたが、そういったリアルタイムに取引を行うための対応も行います。新技術と既存技術との組み合わせや新サービスシステムとの連携、そのような対応も我々の業務となっています。
証券業務については、先物/オプション取引だけでなく、株式、債券、投資信託、ETF、NISAなど様々な取引が行われています。それらの仕組みについても理解し対応を行います。国の税制度見直しがあればそれらについてもシステム追従できるようシステム調査、改修作業を行います。お客様に長く安心してシステム利用いただくために日々維持、保守作業を行っています。
私たちの職場環境について
先物/オプションは先ほどご紹介した通り証券業務の商品の1つであることから、株式や投資信託をやられている方には特に興味を持って取り組んでいただける業務ではないかと思います。投資商品全般のシステム開発業務にも携わる事ができますので、担当するシステムの幅も広げることができます。
システム開発業務で使われるプログラミング言語は先ほどご紹介したCOBOL言語になります。COBOL言語は古くから活用されているプログラミング言語のため、初めての方は敷居が高そうなイメージを持たれるかもわかりませんが、ユーザが理解できるよう設計された言語であるため、可読性が高くシンプルなためすぐに活用いただけるプログラミング言語ではないかと考えています。
また、わからない事があればCOBOL言語のベテランメンバーが多数在籍しておりますので、アドバイスなどもすぐに受けられます。最近ではチャットやウェブ会議なども一般的になっていますので、場所なども気にせずコミュニケーションをとることができますし、様々なシステム開発にメンバーが携わっていますので、情報交換しながら業務知識の幅を広げることができる職場になっています。
この記事を読んだ人は、こちらの記事も読んでいます