共同保険の特徴について
工場や商業施設などを持つ企業が火災保険や賠償責任保険、地震保険などを契約する場合に、保険会社1社で巨額の保険金を引き受けるとリスクが大きいため、リスクを分散・分担する目的で共同保険が活用されています。ある保険会社が幹事保険会社となり、他の引受保険会社の代理・代行を行う形で運営が行われます。引受保険会社は、各々の引受割合に応じて連帯することなく単独に保険契約上の責任を負います。
身近なところでは海外旅行など旅行代理店経由で保険契約することがあると思います。これら海外旅行保険は共同保険として提供がされています。海外で医療機関を受診した場合、高額な医療費が請求される可能性があります。 ちょっとしたケガや風邪などでも高額になる可能性があるため海外に行く際、契約される方も多いと思います。契約手続きは幹事保険会社と進めるため気づかないかもわかりませんが、複数の保険会社が引受先になっていると思いますので契約の際は確認いただけるといいと思います。
また、共同保険は他の保険商品と同様、システムを用いて業務が運用されています。契約手続きから代理店などとの情報連携などをシステムとして実装しており、それらの仕組みを私たちがサポートしています。
お客様のかかえる課題
共同保険業務に関わるお客様は、巨額の保険金を支払うリスクに対してどう保険料を設定するか、また他の共同保険会社と比較してどう低い見積額を提示して自社のシェアを拡大できるか日々検討しています。
先ほど海外旅行保険の例をご紹介しましたが、一般的には共同保険は大規模設備を抱えるインフラ業界や事業規模の大きな企業向けの保険となっています。保険金の割合に応じて大きな保険料が支払われるため少しでも低い金額を提示してシェアの拡大を目指す必要があります。
一方で近年自然災害なども多発しています。大規模地震や台風の被害などで保険会社も保険金の支払いで収益基盤が揺らがないようリスクを見る必要があります。あまりに見積金額を低くした保険料を設定してしまうと保険として成り立たなくなってしまうため、価格設定の方法、プロセスが重要になります。
共同保険の開発は、企画段階でも保険料金や保険金のシミュレーション、裏付けが必要で、それらの分析についてもシステムが活用されています。私たちは実際の保険契約の手続きにかかるシステム開発だけでなく、このように課題解決の場でもお客様をサポートします。
お客様の課題に対するシステムの貢献
共同保険業務に対して、私たちがシステム開発でどのように貢献しているかご紹介します。先ほどご紹介した通り共同保険は企業向けの保険、しかも大規模企業向けに設計されているため古くからシステム化が進んでいます。プログラム言語も保険システムでは一般的なCOBOL言語が活用されています。
共同保険は企業からの要望、要求に従い商品開発がされます。既存の提供商品の契約期間が終了すると新しい商品の提案も行われます。長期に渡って契約情報の管理が必要になりますので、システムで管理しているデータについても長期的な保管、バックアップが行われています。
また保険業法や保険法、民法、商法、消費者契約法など、損害保険に関連する法律は多岐に渡り法律の見直しなども定期的に行われる事からそれらに都度対応しながら業務を継続する必要があります。そういった法律の見直しに伴うシステム対応も私たちの業務になります。
このように私たちは既存の共同保険の維持だけでなく、時代の変化に合わせた新たな対応、さらには商品企画につながる情報の提供まで幅広くシステムの観点で顧客のサポートを行っています。
私たちの職場環境について
共同保険は、企業向けの商品が多いですが、海外旅行保険など個人にとっても身近に感じられる商品になっています。他の損害保険とのつながりも大きい商品のため、共同保険で得られた業務ノウハウについては他の保険業務などに幅広く応用していただける事ができます。
システム開発に使用するプログラミング言語については先ほどご紹介したCOBOL言語になります。COBOL言語は損害保険だけでなく、生命保険、銀行、証券会社など幅広い業種で今尚、主要プログラムとして活用されています。長期に渡って用いられている事からも技術者はベテランが多く、アドバイスをいただきながら業務を進める事ができます。
また最近の保険はウェブサイトで料金をシミュレーションしたり、契約を行ったりできるようになっていますが、そういった新たな技術との連携や活用なども必要になりますので、長期に渡ってシステムを維持保守しつつ、新たな技術知識も学ぶ事ができる職場になっています。
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