途上与信の特徴について
クレジットカードは生活の必需品となっています。特にオンラインショップを利用する際は、多くの方がクレジットカードを利用していると思います。毎年クレジットカードの発行数は増えていますが、同時に増えているのがトラブルです。トラブルを防ぐために、利用者に対しては審査を行っており、クレジットカードの利用限度額(与信枠)を設定します。
クレジットカードの与信枠は、クレジットカード会社ごとに変わる事がありますが、与信枠が多いほど信用されていると受け取る事ができます。ただし誰しも初めから信用されている訳ではありません。特に初めてクレジットカードを申し込む人に対してはそうで、この場合、途上与信を行う事になります。途上与信は審査をカード利用開始後にも行う事を指しています。
途上与信として行う審査は、例えば個人信用情報照会サービスなどで提供されている情報を確認し、クレジットカードの支払い履歴、期間、借入情報など、利用状況を分析した上でスコアリングし利用者の信用度を測ります。信用度の状況を元にし、今までクレジットカードの利用を認めていたところ、途中で利用を認めなくする、など対応します。これら途上与信の支援にはシステムが用いられており、私たちはこのシステム開発業務、運用支援を行っています。
お客様のかかえる課題
途上与信に関わるお客様は、いかに利用者の利用状況を把握して、クレジットカード会社に損害を出さないよう対策が行えるか日々検討、見直しを行っています。同時に利用者と良好な関係を築き、クレジットカードの利用を継続いただける仕組み作りも検討します。
まず利用者の利用状況把握については、利用者のパーソナル情報、取引情報、外部情報などを分析して、利用者に対してスコアリングする方法があります。どういうカードの利用状況の方が支払いリスクがあるか、過去の傾向等も分析しながら、決められたラインを超える利用者を絞り込み審査につなげます。できる限り利用継続いただきたいため、この条件調整がポイントになります。
利用状況については例えば利用金額の変動幅などに注目します。例えば毎月の利用額と比べ、急に高額な取引が発生している場合です。このような通常と違う変化に注目した情報分析を行うことで、早期にリスクを洗い出すことも行います。最近ではAIなども活用して複雑な変化や傾向を捉えるような取り組みも検討、活用しています。
このように途上与信に関わるお客様は、自分たちに損害を出さないような仕組み作り、また利用者に安心してクレジットカードを利用してもらえるよう日々検討を行い、私たちはその検討結果をシステムに反映するなど行っています。
お客様の課題に対するシステムの貢献
途上与信、クレジットカード決済に対して、私たちがシステム開発でどのように貢献しているかをご紹介します。クレジットカード決済は古くから利用されている仕組みであることからわかる通り、クレジットカードを支えるシステムも古くに開発されたものを今なお使用しています。
古くから活用しているシステムの開発にはプログラミング言語としてCOBOL言語で開発したものが多く、私たちはCOBOL言語を用いてシステムの新規開発、変更を繰り返し、サポートを続けています。
途上与信に関するシステムはクレジットカードに関するシステムの一部機能として実装されている事が多いです。途上与信は一般的には与信管理の機能に組み込まれています。クレジットカードシステムは他にカード発行機能、取引管理、売り上げ管理、ポイント管理、顧客情報管理などの機能を持っていますが、それらの機能とも連携しながら途上与信の機能を開発しています。
このことからわかる通り、私たちシステム担当は、途上与信に関する業務を理解すればいいわけではなく、クレジットカードシステム全体の理解が不可欠です。同時に途上与信以外の機能開発、運用についてもサポート、提案しながら業務を行っています。
私たちの職場環境について
途上与信はクレジットカードに関するシステムのため、クレジットカードを利用されている方であれば、その仕組みについて興味を持たれる方も多いのではないでしょうか?また、実際にシステム開発に携わることで、クレジットカード全体の理解にもつなげられ、ノウハウも蓄積しやすい分野ではないかと考えます。
システム開発に使用するプログラミング言語はCOBOL言語が中心になります。COBOL言語は古いプログラミング言語になりますが、システム利用部門が運用する事も想定したものになりますので、非常にとっつきやすいプログラミング言語ではないかと思います。
実際の職場には、COBOL言語を使用して長年開発に携わっているメンバーが多数在籍しておりますので、プログラミング方法などはサポートを受けながら覚える事もできます。最近はオンライン会議も活用されていますので、柔軟にコミュニケーションをとりながら少しずつ業務を覚えていっていただける環境になっていると思います。
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