COBOL言語の歴史について
COBOL言語は長年に渡り様々な企業のシステム開発の場で使用されているプログラミング言語です。その始まりは1959年からになります。当時は異なるコンピュータシステム間で動作するプログラムを目指して設計されました。1960年代に徐々に普及しはじめ、ビジネスアプリケーション開発において代表的なプログラミング言語として使用されることになります。
COBOL言語の特徴に英語に近い自然言語を用いているという特徴があり、そのためビジネスルールや手続きについてシステムに反映しやすいものになっています。1990年代以降もシステムのアップグレードやメンテナンスが行われCOBOL言語で開発されたシステムは長期に渡って使用されることになります。
その後、プログラミング言語は様々なものが誕生していますが、COBOL言語は今なお多くの企業のシステムで活用されています。主に銀行、保険会社、証券会社などの金融機関では、金融取引の処理や顧客データの管理など重要な業務プロセスにCOBOL言語が使用されています。特に大量のデータを処理する業務に適しており、税務処理、請求処理、統計分析などに強みがあります。
COBOL言語の課題
COBOL言語を用いたシステム開発を長年行う中で、課題はいくつか存在します。1つ目はレガシーシステム故の開発者不足です。多くの企業がCOBOL言語を採用し長期に渡ってシステムを維持していますが、古いプログラミング言語という事もあり、開発者の高齢化、不足が見られます。
システムの全体を理解している人材が不足する事により、システムのメンテナンスや新しい機能を開発する上で開発者のスキル不足、ノウハウ不足が目立ち始めています。今なお多くのシステムが稼働し改善案件がある中、非常に難しい課題です。
2つめは柔軟性の制約です。COBOL言語は古い言語である事から設計思想が現在のアプリケーション開発のような柔軟性や拡張性に欠ける場合があります。特にCOBOL言語はメインフレームと呼ばれる大規模なトランザクション処理やデータ処理を行うために設計されたコンピュータで活用される事から、サーバやクラウドコンピューティングのようなネットワーク上の他のコンピュータやデバイスとの連携には不向きです。
これらの課題に対応するためには、COBOLシステムの近代化やリファクタリング、新しいテクノロジーの導入などが必要であり、COBOLのスキルを持つ開発者の育成や継続的な教育も重要になります。私たちは継続的にシステムを維持し長期に渡ってお客様をサポートするためにも、これらの課題への対応が重要と考えています。
COBOL言語の将来性
COBOL言語の歴史、課題について理解いただいたところで今後のCOBOL言語の将来性について考えたいと思います。COBOL言語は新しいプログラミング言語や設計思想が生まれる中で今なお多くの企業で活用されている事からもわかるとおり、今後の将来性は明るいと考えています。
理由の1つが企業の基幹システムとして今なお多くのシステムが稼働している事です。COBOL言語は銀行、保険会社、証券会社などの金融機関を始め、政府機関、自治体、小売業界などを中心に活用されています。長い年月活用されている事からわかるとおり、多くのシステムが大企業で活用されています。
何十年と企業を支えてきたシステムは、プログラムの量を考えても膨大なものになっています。しかも大量データの処理というシステムの得意分野の機能を既に担っている事を考えても、単純な新システムの移管では、費用対効果が合いません。しかも昨今のニュースからもわかるとおりシステムの移管の際はシステム障害などのリスクがつきまといます。
このような事からもCOBOL言語を用いたシステム開発は今後も継続すると考えています。しかも課題にもあげた開発者の高齢化、不足というのは逆にチャンスでもあります。今のうちにCOBOL言語で開発されたシステムを経験者から引き継ぐ事で、多くの顧客から求められる人材になる事が期待できます。
私たちの職場環境について
COBOL言語の将来性を考えるとCOBOL言語に興味を持っていただけたのではないでしょうか。COBOL言語は先ほどご紹介したとおり、英語に近い自然言語に似た文法を用いていますので、プログラミング初心者にとっても理解しやすい言語であると思います。
大規模なシステムで活用されている事からも一般的にはプログラムがパターン分けされている事も多いため、ある程度COBOL言語の処理パターンを理解し、実際に開発する事で他の多くの機能にも応用していく事ができます。そのため、COBOL言語は少しずつ理解を深めていく事ができるプログラミング言語と言えます。
また、私たちの職場では、COBOLプログラミングの経験者が数多く在籍しております。様々な業界でシステム開発を経験しているため、実際のプログラミングのサポートから業務ノウハウの理解まで幅広く支え合える環境が整っています。
メインフレームを取り扱う事が多い中でも最近はリモートでの開発も行われており、場所や時間の制約のないなかで業務を行う事ができます。コミュニケーションもWeb会議などで行えます。興味を持っていただけたら是非お気軽にお声がけいただければと思います。
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